ウェブプロデューサー講座?!
2002-01-09 17:03
最近業界大手数社が共同で、ウェブプロデューサーを育てるためスクールを開校する記事を目にする。講師陣は最前線で活躍している経営者やデザイナーが顔を揃え、これでいったいいくらとられるのだろうと金額をみると70万とか100万円だったりする。
単純に”高い”。それなりに著名な方々が名を連ねているわけだから人件費もかかるわけで、ある意味高いのはあたりまえである。そのスクールによっては卒業生には仕事の斡旋も保証するという。つまり学費の一部が収入となって返ってくる訳なので、それを考えればそんなに高くない、という判断もないことはない。でもウェブプロデューサーっていうのはこういうスクールに1年間かそれ未満通ってなれるのだろうか?私の答えはNO。なれるはずがない。確かに講義も立派であろうし、話の内容も最先端のものだとは思うのだか全員がその「素質」をもっているかどうかはスクール側は判断する必要はないのだから、全員がなれるはずはない。生徒の中には当然社会人もいて、それらの人の中に芽を出す人もあるかもしれないが、卒業してもその肩書きを名刺に入れてよいかどうかは疑問である。
実は私もウェブのプロデュース業を覚えたくて1年間学校に通った。当然仕事をしながら時間をつくってカリキュラムを組んで通ったわけだが70万近く払った割には調子抜けした。当時はウェブプロデュース講座なるものが出始めたところで、その言葉の新鮮さも手伝って「全部勉強できるなら安いもんや」という発想で申し込んだのである。がっくりしたのはカリキュラムの内容。HTML、Photoshop、Illustrator、Flash、VRML、Direction というようにテンコ盛りの内容だった。これは入校前にわかっていたことだからよいのだが、Directionの内容があまりにお粗末だったのだ。既に現場の仕事でウェブ制作を経験していた私にとってはお金を払って時間を割いて習うような内容ではなかった。Directionというからには見積り作成?デザイナー、プログラマーなどへのディレクション手法、管理・運営手法のようなものまで学べると踏んでいたのだが・・・これなら本を買ってきて、 PhotoshopやFlashの勉強をするのと変わらないじゃないか・・・単なるデザイナーコース20万円でいいじゃねーか!・・・と思ったのである。いや、そもそもプロデュース講座にこういうテクニカルな授業が何十時間も必要なのか?という疑問さえ当時沸いてきた。なるほど、”プロデュース”という言葉そのものの捕らえ方、理解の仕方が既においらとは違っていたわけね、と悟ったのは数ヶ月が経ってからである。当然お金は戻ってきませんから・・・自爆。
ウェブプロデューサーになりたい人は学校にいくのはやめましょう。それよりもいろんな国に行って視野を広げたり、税務や法律の勉強したり、本を読んだ方がプロデューサーに近づけるんではないかな、と感じます。当然実務経験も必要ですけどね。