有限会社パンズ

黒ヒョウ社長のブログ

2つの大本営

2002-08-14 14:36

今年で57回目を迎える終戦記念日。今日14日は日本が正式に降伏を
決定した日で、翌15日には正式発表しました。


昨日13日の夜9時から
NHK総合でスペシャル「幻の大戦果」という番組を偶然見ました。
見た後に「日本の戦後の会社組織と同じじゃないか・・」と感じました。
戦果の発表は大本営という、陸軍と海軍合同チームによって全国民に
発表されていましたが、実はこの大本営の実態が誠にお粗末であったという
訳です。本来国民から見ると本営の前に「大」までつけているんだから
最終意思決定の場であり、その内容自体信じて疑う余地もないものであった
はずですが、陸軍は陸軍、海軍は海軍、という現代で言う「族意識」の
ようなものがあったため、誤報が頻繁にあったというのです。現場の
海軍機長が戦果報告した時には「火柱を見た」というレベルのものが、
本部を得て、大本営発表される時になると「空母を撃沈」という戦果に
膨らんで発表されていました。敗戦の前年、敗色濃い日本に「航空部隊が
空母11隻を撃沈」というような報道がなされたため、空母がいない予定で
作戦が組まれ突撃していって何万という若い人たちが死んでいきました。
またフィリピン・ルソン島にアメリカ軍が上陸したのを受けて、陸軍も
海軍の戦果に負けてはならない、と日本軍の南下を支持しました。
現場の大将は大反対したものの、上層部はそれを一蹴し、結果としては
補給船からの武器・食料を絶たれた日本が致命的な打撃を受けるに至りました。
アメリカ空母の一斉砲撃の中に無理を承知で突進していく、ほとんど初陣の
若い空軍兵たちは、日露戦争で旅順要塞の攻略時に刀を握って機関銃放射に
突進していった陸軍兵となんら変わっていないように映りました。
戦国時代の兵法の勉強もしていたろうに、日本人ってこんなにアホだったっけ?
と思わせる内容の番組でした。戦国時代から情報戦であったはずなのに、
第二次大戦の時には情報が軽視され、仲間内にも正しい情報を隠していた程
上層部が保身のために腐りきっていた、と言い切れると思います。
インターネットの普及で課長・部長を経由しなくてもすぐに情報が入手できる
時代になった今、改めて「嘘のないピュアな情報」の大切さを思い知った
スペシャル番組でした。