有限会社パンズ

黒ヒョウ社長のブログ

企業努力ということ

2015-09-03 17:20

最近の新刊案内にこんな本の題名と紹介がありました。

shinkan

一般的には「企業努力で何とか・・・」という使われ方からもわかるように”安く提供する、それができることを企業努力という”なんていう悪しきイメージがどこかにあります。 値下げして利益が上がるのならやればいいですが、普通は利益も下がります。そして下がった利益をカバーするために量をこなそうとして残業していたりしたら本末転倒ではないでしょうか。

 PANSは残業をしません。たまにちょっと残っていて6:30PMに電話が鳴っても取ることがありますが、基本的には6時になったら帰ります。展示会出展前の準備の時に、忙しくて残業することがあっても、それでも8時か9時迄です。 昔は違っていました。終電に飛び乗ることも多かったし、企画書作成のために徹夜したことも何度かありました。(30歳代の時です)

しかし、ある時に気づきました。遅くまで仕事をし続けないと会社が回らない、見積書を安くしないと売れない、そして買ってくれない・・・・こんなことで会社が永く続くはずはないのだと。 そこで企業努力をして会社を安定させなくちゃいけない、それにはどうすればいいのかな、と試行錯誤してきました。

1:カスタムメイドのクリエイティブの仕事を徐々に減らしました。

物作りには時間がかかります。WEBサイトのデザインも展示会の施工の仕事も大変です。たくさんの量はできません。そしてクリエイティブはデザイナーに左右されたりします。なので、それらを徐々にやりたい仕事だけ残して、それ以外は断る方向に舵を切りました。だいたい3年くらいじっくり時間をかけてやりました。

2:値段は下げない、そうするとお客様の層が変わった。

品質やサービスではなく、安いものを常に求めるお客様は「コンペ」が大好きで、それらは外注の会社をとても疲れさせます。外注先・受注したい会社はそれでも遅くまで作業してコンペに参加して落札を目指します。落札をしてもそこから値引きが入ったりして、結局利益があまりなかった、という例は多いです。わたしはある時に広告代理店さんとのお付き合いをゼロに、コンペをするお客様もゼロにしました。そうするとお客様の層ががらりと変わってストレスがなくなりました。この決断は企業(社長)努力だと思います。

3:本当にやりたいこと、他者には負けない強い部分に時間とお金を集中投下。

味覚が変わることってありますよね? 昔は好きだったことが、何年かしてあまり好きではなくなったとか・・・。仕事でもあります。 なので、どこかで仕事を考え直す、という作業をしたほうがいい事があります。惰性で仕事をせず、本来の目的を見つめ直す作業。2014年、断捨離をする決断をしました。使えるけどもう不要なもの、あった方が便利だけどなくなっても困らないもの。それら全てをゴミに出しました。トラック2トン分。これも今思えば相当な企業努力だと思ってます。でも考え直した結果だから迷いはないのです

4:ネット系の仕事から離れてみたら。

自社ドメインでウェブショップ販売&運営をしてきた事を、断腸の思いでSTOP.お客様と契約が残っていた最後の最後のウェブ系のお仕事も、お断りさせて頂いたのが約1年ちょっと前。つまりWEB系の仕事ゼロ、展示会の仕事ゼロ、デザイン系のお仕事もゼロ、という状態。さあ、これで会社の業績は下がったのか・・・、いいえ逆でした。

日本がまだまだ遅れている業態、「ポータブルディスプレイ」という世界でこれから10年、20年やっていく、と決めてから気持ちも姿勢も変わりました。あっちもこっちも考えなくて良くなったのが功を奏して、ペンギンブログに付加価値情報を書き込みする時間を増やす事ができました。

企業努力って、やはり値下げをする事ではないというのは、その通りだと思います。(粗悪品を売るのは論外ですが)値下げは高校生でもできます。でも1円または100円競合他社よりも高く売ることは、相当な努力・分析・信頼関係などが必要になります。

それができるようになることが、会社を強くし、ついてはそこで働く社員さんたちも幸せになるんだろうな、と考えます。仕事を通じて成長できますからね。